『松の樹/犀の角』が終わって

 京都 HRD FINE ART にて開催していました『松の樹/犀の角』寺島みどり + 津田友子 二人展。

 ご来場してくださった皆様、お気にかけてくださった方々、ありがとうございます。先日の9日に無事終了いたしました。

 機会をいただいた白白庵の石橋さん、それに私という人間に対峙し作品を作り上げてくださった津田さんに心から感謝をいたします。

 私はここ数年「人間性を最も表すのが美術であるならば、再度その意味を問いたい」とこれまで自分を形作っていた思想や価値観、言わば自分自身を問い直す作業を続けています。

 最初は、どうやれば自分を問いなおせる新しい視線や態度が手に入れられるのかがわからなかったため、興味が向いたもの、またはこれまで遠ざけていたものをどうにかしたいという気持ちで手当たり次第に試したり勉強させてもらっていました。

 作品制作では、常に実験実験の連続で、完成したと思えてもそれを疑い続け、何が目的なのか意図なのかといった答えを先送りにし、今自分が見ているものは何なのか、私自身は一体どこにあるのかを問いながら何度も何度も画面を更新していきました。

 もちろん今でもその只中にいて、相変わらず「これではない、これではない」と否定から作品を進めることしかできないのですが「人間性を最も表すのが美術であるならば、再度その意味を問いたい」という気持ちは少しずつ自分自身がどうあるべきかという問題に集約されつつあるように感じています。

 そして、不思議なことに私が求めているのは「無」なように今は感じています。これは有と対立する相対的な無ではなく有を包みかつ超えるものとしての無です。

 数十年前、思春期の頃に「ごく個人的なことこそ普遍に繋がる」という言葉に出会いました。それからずっと私の手法は変わっていないかもしれません。七転八倒しながら世界を確め、命のある限り進んでいきたいと思います。


寺島みどり



PS:いつも応援してくれて力を貸してくれる家族、息子と今回は展覧会のプロデュースもしてくれた夫にこの場を借りて感謝します。


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